美容室の開業について
美容室には、これまでおしゃれで心地よい場所というイメージがありました。しかし、最近はリーズナブルなお値段でカットができる美容室も増えてきているようです。美容室も多様化しているといえます。この記事では、これから美容室を開業しようとお考えの方に向けて、開業までにやるべきことをまとめてご紹介します。
美容室を開業するには

美容室を開業する場合は、飲食店同様、保健所のチェックが入りますので、まずは開業前に保健所に行って今後のことを相談することをおすすめします。開設届を出し、内装工事なども終わり、すべての準備が整ったら、保健所の検査を受けて、OKが出てはじめて、美容室を開業できます。
どんな美容室を開業するかイメージ

長い修行が終わり、自分の美容室を持つ。美容師にとっては夢のひとつだと思います。ほとんどの方は、自分が開く美容室のイメージをお持ちかと思いますがいかがでしょうか?飲食店でも同様ですが、やはり自分がイメージしている美容室とロケーション、そこにいる人たちは、合っていないとよいビジネスに育て上げることは難しくなります。ここでよく見かける美容室を挙げると、
・おしゃれな美容室
・ナチュラルでロハスな美容室
・テクニックが売りの美容室
・街の美容室
・コスパ重視の美容室
などでしょうか。
最近は、コスパ重視の美容室の数が増えていますが、あくまで戦略ですから、自分がイメージする美容室が、必ずしも上記のような美容室ではないかもしれません。しかし、重要なのはしっかりとしたイメージとコンセプトを持つことです。
上記の美容室を例にとると、「ナチュラルでロハスな美容室」は、天然由来のシャンプーやコンディショナーを使うなど、かなりのこだわりがありそうなので、1日にこなせるお客さんの数は少なくなりそうです。インテリアにもこだわるので当然、客単価を上げて儲けを出さなくてはならないでしょう。
「コスパ重視の美容室」なら、パーマなどはメニューに入れず、カットだけにしてお客さんを回転させるという戦略が考えられます。客単価が安くなるので、インテリアや設備は簡素なものにしなくてはならないでしょう。
このような感じで、自分が理想とする美容室のイメージやコンセプトを組み立てていきましょう。
美容室向けの物件とは

美容室はイメージやコンセプトによっては、物件をかなりこだわって選ぶ必要があります。物件選びには、美容室の将来がかかってるので、やはり慎重になるべきです。出店するエリアとターゲットとなるお客さんの属性をしっかり考えてから物件選びに入りましょう。
美容室向けの物件は、飲食と同じようにスケルトンと居抜き物件という選択肢があります。
スケルトン物件は、一から店作りを始める必要がある物件です。インテリアや設備などは、自分で購入したり、施工を依頼したりして作り上げます。そのため、費用はかかりますが、完全に自分好みで仕上げられることは、スケルトン物件を選ぶ大きなメリットだといえます。
一方、居抜き物件は、これまでに美容室として使われていた物件なので、設備が残っている物件です。内装を少し変える程度で始められるため、費用を抑えたいという場合は、こちらを選ぶとよいでしょう。ただし、前の入居者がビジネスをあきらめたことは事実なので、ロケーションや人の流れなどに問題があった可能性はあります。そのため、状況をしっかり分析してから決める必要があるでしょう。
美容室開業に当たり用意すべき資金額

美容室を開業するに当たり、考慮すべきは「内外装の工事」「機器の購入」「商材」「運転資金」などです。一般的には、美容室を開業するに当たり必要な資金は、700~1500万円ほどだといわれています。もちろん、出店するエリアや店の規模により、この金額は上下しますが、まとまった資金を用意する必要があることは間違いありません。
この額をすべて自己資金でまかなうのは大変ですから、多くの場合、融資を受けることになります。もっともよく利用されているのが、日本政策金融公庫の創業融資です。自己資金は、資金総額の30%程度を目安に用意するとよいでしょう。さすがに自己資金がないと融資を認めてもらうことは厳しいようです。
どうしても自己資金が用意できない場合
自己資金が用意できない場合でも、絶対に融資を受けられないわけではありません。実際に自己資金なしでも融資を受けられたという人は存在します。では、彼らはどうやって融資してもらったのでしょうか?
・事業計画書で評価してもらえた
事業計画書を詳細に、根拠となる数字とともに、整然としたわかりやすく作ると、将来の可能性を評価されて融資してもらえる可能性があります。
・担保を設定
土地や建物を所有しているようなら、これらを担保に設定することで、融資してもらえるかもしれません。
・共同経営者に頼る
共同経営者に協力してもらい、自己資金を捻出してもらうと、融資の許可が下りる可能性があります。
設備導入、内外装の施工など

資金が準備できて、物件も確保できたら、続いて行うのが内外装の施工、設備の導入、そして保険への加入です。美容室では、肌に影響する可能性のある薬品なども使うことがあるので、お客さんに対して何らかの害を及ぼしてしまう事故が発生する可能性があります。このような事故に備えて、必要な範囲で保険に入っておくとよいでしょう。
内装や電気の工事を依頼する前に、美容室で使用する設備を購入しましょう。美容室用の業務用品は、専門の業者から購入します。アフターサービスが充実している業者であれば安心して使えるでしょう。一通り、必要な設備がそろったら、いよいよ内外装の施工です。
内外装の施工は、スケルトン物件の場合は必ず行わなければなりません。美容室の内装工事の坪単価は、平均的なお店の場合で20~40万円ほどです。高級な内装を望む場合は、50万円前後は見込んでおく必要があります。40坪のお店だとすると、それだけでも1000万円前後は内装工事でかかるので、融資により資金を確保する重要性がわかるというものです。
スケルトン物件の場合は、内装のほかに、必要に応じて電気配線の工事など、やることがたくさんあります。さまざまな職人さんが出入りして工事を行うことになりますが、しっかり業者に予定をたててもらい、作業してもらわないと、オープンまでに工事が終わらない可能性もあるので、業者と契約した際に、工事のスケジュールはしっかり確認し、工事の進行中もスケジュールどおりに工事が進んでいるかチェックすることを忘れないようにしましょう。
居抜き物件の場合は、内装や設備がかなりそろっているので、開店までのハードルはそれほど高くありません。どうしても導入したい設備がある場合は、そちらに資金を回せます。居抜き物件はリスキーな部分もあるのですが、費用を抑えつつ開業できるという大きなメリットがあります。リサーチをしっかり行えば、新しい美容室を十分に成功に導けます。
美容室開業はメディアを使って宣伝

近年、TwitterやInstagramなどのSNSを利用する人が増え、SNSを利用して宣伝・集客を行う美容室も増えてきました。SNSには、地域やユーザーの属性を絞って広告を配信できるサービスが備わっています。ターゲッティングを微妙に調整しながら、理想の顧客に広告を届けることが可能です。昔ながらの紙媒体もパワーがある宣伝ツールです。チラシは比較的安く、しかも近隣の人に幅広くお店の存在をアピールできます。